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忠ちゃん奮闘記 / 1980 壊し魔 |
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昔は土地も工場も小さかった。手作りの機械であれ、メーカーの制作した機械であれ、製品ごとに、めっきの種類によって機械を設置しなければならない、一品一品の機械である。そうしなければお客の要望である品質、納期またはコストを満足させることは出来ない。
製品によっては昨日までかなり売れていた製品が今日からあまり売れなくなり、尻すぼみになる製品もある。今後も多少は出るであろうと思い生産していると機械も増えてその内に手狭になっていく。しかし、何時かは増産もあるであろうと未練がましく機械をそのまま置いておくと、それが足を引っ張る結果となった。と云うのも次に新製品の話があるとしても生産する場所が無い。「今日より土地を買い工場を建築して生産します」と言っても、「清川さん何を言っているの、2〜3年も待ってくれと言うのか」と言って取り合ってくれる訳が無い。当たり前である。それよりも地主が土地を売るとは限らない。売ってくれたとしても私どもに金があるとは限らない。
それ以来、この製品にもう先が無いと思えば機械が新しいかろうが,古かろうがスクラップにすることにし、絶えずフロアー空けておくことにしている。
絶えず前向きで取組むことこそがお客に信頼され、会社の活性化に繋がると思っている。
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