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会長語録 清川 忠 /
1997(平成9年)秋号 21世紀に羽ばたくめっき産業 |
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めっきは携帯電話、デジタルカメラ、コンピュータ、テレビ、自動車、人工衛星、そして日常生活用品の至るところまで、めっき技術が生かされている。
めっきなしでは、一日も生活出来ないところまで来ている。皆様が家庭がテレビを見たり、電話をかけたり、自動車に乗ったりすることが、出来なくなったら今日では世界中で大混乱をきたすであろう。
自動車ひとつを取り上げても、亜鉛めっきから始まりあらゆるめっきがほどこされている。電子制御、電子機器により管理し、安全で快適に乗るために、自動車は電子部品の固まりである。言い換えれば、めっき及びめっき技術のかたまりと言っても過言ではない。
国際的に言われている地球温暖化対策、言い換えれば環境に配慮された物造りをしなければならない。その中でも自動車はCO2を撒き散らし、地球温暖化に大きな影響を与えていることは、皆様ご存じのことだろうと思う。
12月には京都に於いて国際環境会議が開催され、数値目標が出されるようである。今後は、急速に地球環境に配慮された物造りが迫られている。
たとえば、自動車ひとつを取り上げても最近では、ガソリンに変わるハイブリット車、電気自動車、水素燃料自動車、まだまだ多く、あげきれないほどの開発が進められている。
これは、一例であるが、自動車に限らず世の中を見渡せば、無限にある。めっき技術を利用し貢献出来れば、おもしろい業界であり、無限の夢が広がるではありませんか。
また、昨今ではQ、C、D(品質、コスト、納期)コスト面ではグローバル化されている。国内生産ではコストが合わないと言われ、海外より輸入したり、特にアジア地域への海外生産の展開が昨今の現状である。
では、我が国に於いて何を成すべきか。また、我々めっき業界は何を成すべきか。
特に我々業界は、物造りをはずしては何も考えられない。
「21世紀に羽ばたくめっき産業」としての今後の課題として、業界がたどってきた足跡、1200年余りのめっきの歴史、奈良の大仏様から始まり、今日の人工衛星などの技術進歩とめっき技術の社会貢献度を考えること、今こそ我々業界人は誇りと自信を持たねばならない。
今後は新たな気持ちで人材を育成し、新技術の開発に取り組み、提案型企業をめざす企業造りこそが、「21世紀に羽ばたく企業」になる資格が得られるであろう。
今こそが、自社の技術力を高め国際的に品質が信頼される物造り、国際品質保証規格ISO9001など、工場内外の環境に貢献する企業としての取り組み、国際環境規格ISO-14001の取り組み、公害企業からの脱皮、環境に優しい企業への脱皮を図り、企業イメージアップを図ることこそが、「ときめき、きらめき、めっきの世界」、疑う余地のない産業であり、「21世紀に羽ばたく産業」にしようではありませんか。
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