今回ご紹介するのが、マグネット選別という選別方法です。
これは主に電子部品で行われる、めっき膜厚の選別方法です。
対象となるめっきの金属は、ニッケルという金属です。
ニッケルは、鉄と同じように磁石にくっつきやすいという特徴があります。
マグネット選別は、この特徴を利用して、めっきがついているかを確かめる方法となります。
下図は、マグネット選別装置のイメージ図です。
永久磁石が入っているローラー付近に製品が通過し、マグネットに吸着した製品が良品として回収され、吸着しない製品は不良として回収される装置となっています。
このような装置を使うことで、ニッケルめっき厚みが薄い製品の流出を防止することが可能となっています。
ニッケルの膜厚が薄いものを実装すると、ニッケルの役目である電極の耐熱保護が十分にされず、下図のように、半田付け時に電極喰われが発生し、電極部分が溶け出してしまう異常となってしまいます。
その検査方法として「はんだ耐熱試験」という検査もございますが、破壊式の抜き取り検査のため、全数を検査する方法にはなっていません。
このような不具合を起こさないためには、ニッケル膜厚が薄いものを1つも流出させないことが重要となります。「マグネット選別」は、電子部品を全数・非破壊でニッケル膜厚の検査をすることができる方法となっており、実装時の不具合防止に貢献しています。
ニッケルは、実装時に電極部分を守り正常に導電させるという大切な役目を果たすため、良品には用途に合わせた適切なニッケル膜厚がついていないといけません。
マグネット選別は、マグネットの条件を調節することで、任意のニッケルの膜厚薄品を選別することができます。また、ニッケル膜厚が厚い側の製品の選別も可能となっています。
下図は、電子部品のマグネット選別によるニッケル膜厚選別範囲の事例となります。
お客様の製品用途に合わせ、ニッケル膜厚良品範囲を設定することが可能となっており、ニッケル膜厚不良品の流出防止を図っています。
私たちは、電子部品へのめっき開発を始めた頃(1980年~)から、このマグネット選別を開発・進化させ、『ニッケルめっきが確実についているか』の選別を実施してきました。
ニッケルめっきの上に他の金属でめっきで覆われ、表面上ではついているのかが分からない状態でも、ニッケル膜厚の選別ができるのがこのマグネット選別の特長です。
製品を破壊することなく、不良品を確実に選別することが可能となっていますので、電子部品のニッケル膜厚を選別をしたい、より高精度でニッケルの膜厚を選別したいなど、お困りのお客様はぜひご相談ください。