粉体めっき技術とは、下の画像のように、目に見えないほどの小さな粉体(微粒子)にめっきを行う技術です。
「水に溶けなければどんな粉体にもめっきができる」と私たちは考えており、粉体の大きさはミクロンサイズ(1mmの1/1000 = 1µm)となり、花粉(20~30µm)よりも小さな粉体にもめっきができます。下の写真のように、5µmの粉体一つ一つに均一にめっきを行うことができます。
粉体にめっきをすることで様々な効果が得られます。
樹脂粉体やセラミックス粉体などの絶縁粉体に導電性のあるめっきを行うことで、導電性が得られます。金属粉体だけでは得られることのできない、樹脂の軟らかい性質やセラミックスの硬い性質を活かすことができます。電磁波シールド材や導電充填材料として使われることが多いです。
鉄粉や銅粉など、錆びやすかったり、溶液中に溶解しやすい粉体に錆びにくい・溶解しにくいめっき(金や銀めっきなど)を行うことで元の粉体を守ります。
磁性のあるニッケルやコバルトを粉体にめっきすることで、元々磁性の無かった粉体に磁性を付与することができます。
上に書いた事例以外でも効果は様々なものがあります。このように、粉体めっきは素材粉体に+αの機能を付与することができ、その結果、新しい粉体材料に生まれ変わり、エネルギー分野・通信分野・自動車分野など、様々な製品の材料として使われております。素材粉体の粒径・材質・形状とめっき種類・膜厚・被覆状態などすべての組み合わせを考えると「無限大の可能性」を秘めています。それが粉体めっきです。