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めっき皮膜中の環境規制物質微量分析の開発

開発の背景

開発の背景 / めっき皮膜中の環境規制物質微量分析の開発

2003年にRoHS指令が発行され、2006年7月以降、鉛、水銀、6価クロム1000ppm以上、カドミウム100ppm以上を含むものはEU市場に上市できなくなりました。その準備にあたり、2002年頃から規制物質分析が増加し、弊社では分析体制の構築が急務となりました。
弊社は2005年までに、テストピース法による分析方法を確立し、社内管理体制を確立しました。しかし、これはあくまで代用試験であり、様々なめっき方法に対して有効な方法ではありませんでした。また、時間もコストもかかるという問題点がありました。
2009年からは、製品を直接分析する要望が増えたため、本分析方法の開発に取り組みました。


開発の内容

開発の内容 / めっき皮膜中の環境規制物質微量分析の開発
これまで主流だったテストピース法とは、対象製品と同じめっき液を用いてテスト用のサンプルを作成して分析する方法です。電子部品は小さいため、分析に必要な面積をテストピースによって得ていました。電子部品における金属中の規制物質分析法の国際規格として、IEC62321があります。この方法は、均質材料を対象としており、サンプル量は1g必要となります。また、全溶解して分析する手法ですので、テストピース法でないと対応できない状況となっております。
一方、お客様からは、製品で直接、めっき層毎に、規制物質の含有量分析を、速く、安く、正確に、実施したいとの要望が多くありました。この理由としては、製品のスクリーニング検査でグレーになった製品を調査する場合、それからテストピースを作成するのでは、遅い上に現物ではないという問題があります。また、めっきが2層以上ある場合、テストピースは、めっき層毎にそれぞれ作成しなければなりません。
そこで、私たちは、お客様からのご要求に対して、めっき製品少量でめっき層毎に規制物質の含有量を測定する方法を開発しました。テストピース法ではなく、直接製品を分析する方法として、ISO/IEC17025の試験所認定を受けることにも成功しました。これにより、弊社で分析した結果は、世界中で通用するものとなりました。

開発のポイント

 開発した方法のポイントとして、以下が挙げられます。
 ・めっき重量を、天秤での秤量ではなく溶解液のICP濃度で算出しております。
   →物理的剥離が不要になり、部分溶解が可能になりました。
・分析に必要な最少量で溶解を行うことで、希釈を行いません。これにより、サンプル最少量を0.04g(これまでの25分の1)にまで下げることができます。(サンプル最少量は、分析装置に依存します)
・めっき屋の技術を活かして、めっき種類に合った溶解液を選択します。
  →多層めっきでも、対象めっきのみを溶かすことができます

妥当性の確認



 IEC62321からの変更点について、変更しても分析結果に問題がないことを試験にて確認しております。この確認試験に約1年費やしております。

 その他の課題としては、以下のものなどがございました。
 1. 部分溶解可能なめっきの組み合わせ、及び剥離液の選定
 2. 全元素の分析結果から、めっき成分として採用する閾値の決定
   (主成分に対して、他の成分の影響度を確認)
 3. 素材または下層めっき成分からの溶出が、分析結果に与える影響の確認。
 4. 機器分析での測定妨害元素除去
 5. 機器分析での、試料導入最大量及び最少量の確認

 これらの課題に対し、めっき仕様や形状で約170種類の製品サンプルで試験を行い、条件を確立しました。



福井県科学学術大賞 特別賞受賞

福井県科学学術大賞 特別賞受賞 / めっき皮膜中の環境規制物質微量分析の開発
第10回 福井県科学学術大賞 特別賞授賞式
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