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事例:01.めっきがついていない−未析出(JIS:無めっき)

めっきがついていない−未析出(JIS:無めっき)

本来ならばめっき皮膜で覆われているべき部分にめっきが析出せず、下地が露出していることをめっきの未析出といいます。


では、なぜそのような現象が起こるのでしょうか?

現象

現象 / 事例:01.めっきがついていない−未析出(JIS:無めっき)

めっきとは、被めっき部表面でめっき液中の金属イオンが電子の授受によって金属となり皮膜が形成されることです。つまり、簡単に言うと以下の式が成り立つということです。(実際にはもっと複雑な化学反応が起こっています)


 Mn+ +ne- = M


言い換えれば、めっき皮膜形成ができないということは、この式が成り立たない、つまり、被めっき部またはめっき液が電子の授受を行えなかったとも言えます。

解析事例@−異物付着

解析事例@−異物付着 / 事例:01.めっきがついていない−未析出(JIS:無めっき)

異物付着とは、被めっき部に何らかの異物(汚れ)が乗っている状態を指します。異物があることで、被めっき部表面が処理液に浸漬しないため、電子の授受が行われず、未析出となります。

解析画像<異物付着>

解析画像<異物付着> / 事例:01.めっきがついていない−未析出(JIS:無めっき)

この事例は、Cu素材にNiめっきした製品です。外観が平滑ではなかったため、異常部について解析を行いました。EDS分析の結果では、Niが未検出でCuのみが検出されました。したがって、Niが未析出であることが分かりました。さらに、その未析出部分にはCが検出されたことから、異物付着によりめっき析出が阻害されたものと考えられます。


このモードでは、異物はめっき被膜形成前に付着しています。よって、改善のためには、この異物がいつ、どうやって付着したのかを検討することが有効です。また、どのような異物であるかを知ることも改善の糸口になります。当社では、FT-IRやラマン分光での分析による異物の成分解析も可能です。

解析事例A-バーンオフ

解析事例A-バーンオフ / 事例:01.めっきがついていない−未析出(JIS:無めっき)
非導電性の被めっき物に電解めっきを行う際には、無電解めっき等で薄膜導電膜を形成後、電解めっきを行います。バーンオフとは、電解めっき時に導電部(被めっき部)に過電圧がかかり、導電部が焼け飛んで非導電性下地が露出する現象です。これにより、被めっき部での電子の授受を行えなくなり、未析出となります。

解析画像<バーンオフ>

解析画像<バーンオフ> / 事例:01.めっきがついていない−未析出(JIS:無めっき)

この事例は、Ti/Cuスパッタ上に電解めっきをしたものです。1層目の電解めっき後に導電膜の一部がグレーになり、2層目の電解めっき時には電流を流すことができなくなりました。したがって、グレーに見えている部分について解析を行いました。解析の結果、グレーに見えた導電膜はTiが露出していることが判明しました。SEM画像でCuスパッタが部分的にしか残っていないことから、Cuスパッタがバーンオフし、電流を流すことができなくなったと考えられます。


このモードでは下地露出部に過電圧がかかりました。よって、改善には、電解めっき時の製品、冶具、めっき液がどうであったかの検討が有効です。特に、導電膜が薄膜であったり、抵抗が高い被膜である場合には、些細なことで過電圧になるため、注意が必要です。


上記事例だけではなく、未析出の原因は様々です。めっき製品の微小化、微細化が進んでいる現在では、さらに複雑でその製品ならではの不具合も多数あります。従いまして、発生した不具合に対し、様々な角度からの分析、解析が必要であると考えます。その点におきまして、当社は「めっき屋」としての経験と知識を最大限に活用し、解析を行っております。

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