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めっき実験セットを用いてのめっき解説3

無電解めっきの紹介

無電解ニッケルめっき

電気めっきとは違い電気を使わず、化学的な反応を用いためっきを無電解めっきと言います。無電解ニッケルめっきは、めっき溶液中に含まれる還元剤(他の化学物質を還元させる働きを持つもの)の働きによりニッケルイオンを還元し、めっき対象物にニッケルめっきを析出させるめっき方法です。特性として硬度が高く、耐摩耗性、耐食性などに優れているため、精密機器や電子部品、自動車部品など幅広い分野で用いられています。

無電解ニッケルめっき液に含まれているもの

無電解ニッケルめっき液に含まれているもの

無電解めっき液に含まれる物質の割合を調整することによって、めっきの析出速度やめっき金属皮膜の硬度などを調節しています。しかし、多くの成分によって構成されており、その成分比率の調整管理が難しいため、めっき液の寿命は短くなってしまうという問題点もあります。

無電解ニッケルめっき反応基本原理

まず、真鍮を触媒溶液に浸漬させます。触媒とは、通常は進行しない化学反応でも、反応を誘発させる作用を持ちます。今回の触媒溶液には、Pd(パラジウム)がイオンとして溶解しており、真鍮表面上で置換反応を起こしPd金属が吸着します。この吸着したPdが触媒として働きます。

-STEP1-
真鍮上に触媒を吸着させる。

真鍮上に触媒を吸着

次に、表面にPd触媒が吸着した真鍮を無電解ニッケルめっき液に浸漬させます。
触媒存在下での無電解ニッケルめっきの析出は次の反応により進行していきます。

表面にPd触媒が吸着した真鍮を無電解ニッケルめっき液に浸漬

-STEP2-
Pd触媒上で還元剤の酸化反応が起こる。

Pd触媒上で還元剤の酸化反応

-STEP3-
ニッケルイオンの還元反応が起こりニッケル金属が析出する。

ニッケルイオンの還元反応が起こりニッケル金属が析出

-STEP4-
析出したニッケルが触媒となり、還元剤の酸化反応が起こる。

析出したニッケルが触媒となり、還元剤の酸化反応

-STEP5-
さらにニッケルが析出する。

さらにニッケルが析出

触媒は必要??

今回の無電解ニッケルめっきでは、一旦真鍮上にPd触媒を吸着させてから、そのうえにニッケルを析出させています。では、なぜ触媒が必要なのでしょうか。電解ニッケルめっきのように真鍮上に直接ニッケルを析出させてはいけないのでしょうか。

なぜなら、真鍮(銅と亜鉛の合金)を直接無電解ニッケルめっき液に浸漬させてもニッケルは析出しないのです。

これは、銅とニッケルのイオン化傾向の違いによるものです。イオン化傾向とは、溶液中でその元素のイオンへのなり易さの指標です。イオン化傾向が大きい元素ほどイオンで存在しようとし、イオン化傾向が小さいほど金属単体で存在しようとします。

触媒は必要??

今回の銅(真鍮)とニッケルの場合、銅はニッケルに比べイオン化傾向は小さいため、イオンになり難く、金属として存在しようとします。そのため、無電解ニッケルめっき液に銅(真鍮)を浸漬させても銅がイオンとなりNiが金属となり析出するという反応は進行しません。

そこで、真鍮上へニッケルを析出させる方法として、一旦、真鍮上に触媒を付与しその上にニッケルめっきを析出させる方法が利用されています。





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