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硫酸銅めっき液中の添加剤におけるCVS分析の原理

硫酸銅めっき液の添加剤って?


電解銅めっき液の中で、基板や半導体の埋め込みめっき液として汎用されているのは硫酸銅めっき液です。


主な液組成は硫酸銅と硫酸ですが、さらに様々な添加剤を添加することで皮膜形成をコントロールしています。


当社では、この添加剤濃度をCVS測定装置にて測定しております。


以下に各添加剤ごとの測定原理について簡単にまとめました。

添加剤の種類と分析法

添加剤の種類と分析法 / 硫酸銅めっき液中の添加剤におけるCVS分析の原理
ビアフィルめっきにおいて、基板等の回路表面の平坦化、およびボイドをつくらずビア内を銅めっきで充填させるためには、ビアホール内部のめっき析出を優先的に行う必要があります。そのために硫酸銅めっき浴中の添加剤のバランス(濃度管理)が重要です。
一般的に硫酸銅の添加剤成分には、抑制剤、促進剤、レベリング剤があります。CVS(Cyclic Voltammetry Stripping)分析法では、これらの成分を以下の方法を用いることで、独立して分析することが出来ます。
 ●抑制剤:DT(Dilution Titration)法
 ●促進剤:MLAT(Modified Linear Approximation echnique)法
 ●レベリング剤:RC(Response Curve)法

硫酸銅めっき液における添加剤の影響

硫酸銅めっき液における添加剤の影響 / 硫酸銅めっき液中の添加剤におけるCVS分析の原理
添加剤の入っていない硫酸銅液(VMS:Vergin Make up Solution)に、添加剤(抑制剤、促進剤、レベラー)の入っためっき液を添加した場合、図3.のような挙動を示します。
 経軸はめっき量(電気量で現します)、緯軸は添加量です。
@添加剤の入っていないVMSは、最もCuの析出が多く、添加剤が入っためっき液を添加することで、徐々に析出が抑えられます。最初の挙動は、抑制剤に依存します。
A添加量が増え、液中の抑制剤の割合が一定量になると、添加量に対する抑制効果に大きな変化が見られなくなります。この時点から促進剤の影響が現れ、徐々にめっき量が増えてきます。
B液中の促進剤が一定に達すると、次にレベラーの効果が現れ、再びめっき量は減少します。
 CVS分析は、これら3つのエリアにおけるCuめっき量の挙動を利用した分析方法です。

抑制剤の分析

抑制剤の分析 / 硫酸銅めっき液中の添加剤におけるCVS分析の原理

抑制剤の分析:DT(Dilution Titration)法
VMSに既知濃度の抑制剤を添加し、添加剤未添加時のめっき量(Ar0)と添加によって抑制されためっき量(Ar)の比をプロットします。
(Arは剥離面積を表しますが、ここでは説明を省略し、わかりやすくめっき量とします)
抑制剤の効果によって、析出が抑えられ、初期のめっき量Ar0の半分になった添加量をエンドポイントとします。
同様に、VMSに未知試料(稼動めっき液)を添加し、エンドポイントを求めます。
標準液と未知試料のエンドポイントの比から、未知試料の抑制剤量が求まります。



促進剤の分析

促進剤の分析 / 硫酸銅めっき液中の添加剤におけるCVS分析の原理
促進剤:MLAT(Modified Linear Approximation echnique)法
VMSに抑制剤を飽和するまで入れた液(インターセプト)を準備します。
インターセプト液のめっき量は、促進剤無しの値Ar0となります。
次に、未知試料(稼動めっき液)をインターセプトに添加します。抑制剤飽和後は、促進剤が作用するので、めっき量が増えます。これをAr1とします。
さらに促進剤の量が既知の標準液を追加します。これにより増えためっき量をAr2とします。
傾きが同じであれば、未知試料の促進剤の濃度を求めることが出きます。
未知試料の量、添加剤濃度など、分析条件の設定がポイントとなります。

レベリング剤の分析

レベリング剤の分析 / 硫酸銅めっき液中の添加剤におけるCVS分析の原理

レベリング剤の分析:RC(Response Curve)法
VMSに抑制剤と促進剤を飽和するまで入れた液を準備します。
この液に、レベリング剤を一定量ずつ添加して、添加量とめっき量の関係から、検量線を作成します。飽和液にはレベリング剤が作用し、めっき量が減少します。
次に、飽和液に未知試料(稼動めっき液)を添加し、検量線よりレベリング剤の濃度を求めます。
飽和液の作成とレベリング剤の濃度とのバランスが、分析条件のポイントとなります。


なお、当社では添加剤濃度だけでなく、銅濃度、硫酸濃度、塩化物濃度、金属不純物(Fe,Niなど)についても測定しておりますので、お気軽にご依頼ください。

参考文献:小特集/めっき液組成の分析・管理方法.表面技術.Vol54,No.4,2003,p278-280


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